近年、デジタルマーケティングという用語をよく耳にします。日本では今でもWebマーケティングという用語も耳にしますが、トレンド感的には、圧倒的にデジタルマーケティングといえます。
実際にトレンドとして、これら用語の使われ方がどういう推移を辿って来たのかを統計で確認してみました。
統計より、2015年あたりから「Digital Marketing」という用語が、世界的に一番多く使われるようになってきたことが分かります。
なお2014年まで世界において、一番用いられてきた用語は、「Online Marketing」でした。その次が「Internet Marketing」であり、実は「Web Marketing」は世界では比較的マイナーな用語でした。
日本の場合、過去5年間において、「Webマーケティング」と「デジタルマーケティング」は拮抗している中、若干「Webマーケティング」の方がまだ使われています。
2004年から見れば、日本では「Webマーケティング」という用語が圧倒的に浸透していたことが分かります。
「Webマーケティング」ですが、実は日本でこの用語を広めたうちの1つが、当サイトでした。2002年当時、日本で確固たる用語がまだ浸透しておらず、世界的には「Online Marketing」や「Internet Marketing」という用語が正統派であったのは理解していましたが、それを真っ当に浸透させるべきか悩みました。 結局、コンパクトで日本人にはより馴染みやすいであろうと予想し、用語として「Webマーケティング」を採用し、ドメイン名をWebmarketing-ace.comで取得してサイトを開設し、Webマーケティングについて啓蒙・解説してきたという背景があります。
「デジタルマーケティング」と「Webマーケティング」の違いについても、2015年辺りから盛んに取り上げられているようですが、多くのマーケッターの見解としては、Webマーケティングは、デジタルマーケティングのサブセット的な存在で、その中に含まれるものという認識になっています。
デジタルマーケティングの場合、チャネルがインターネット上やオンラインに限定されないため、例えばモバイルアプリの使用や、EメールマーケティングやSMSメッセージングなども含まれます。要は、何らかのデジタルデバイス上で、オフライン状態でも動作する行為をもチャネルとして含めるのが特徴と言えます。
アメリカを含め、世界的には「Web Marketing」よりは「Online Marketing」や「Internet Marketing」の方が用語として浸透しており、当社的には日本での「Webマーケティング」=世界での「オンラインマーケティング」の意味合いで、この用語を使ってきたこと、予め前置きしておきます。
その上で、モバイル時代の台頭と供に、「Webマーケティング(=Online Marketing)」という用語では厳密な定義上でも、適切に網羅できない状況がありました。実際には厳密な定義を無視して、広範囲に「Webマーケティング」として用語を使用してきたのも事実です。例えばモバイルアプリやEメールマーケティングなど、オフラインでも動作が含まれるため、厳密に言えば、「Online Marketing」ではないわけです。
ですから「デジタルマーケティング」という用語の浸透は、妥当且つ喜ばしいことです。(ただ当サイトのドメイン名は、今更変えませんが。)
専門的には、クローズドループ技術を使用して、あらゆるチャネルのデジタルマーケティング活動を、従来よりも更に効果的に追跡できるようになったことで、その技術を活用したリアルタイムの分析の適用なども、勿論大きな違いではあります。
アメリカのグロスリーストアでの買い物で、ストア専用のカードを通させることで個人を特定して購入履歴を蓄積されたり、フリーメールでのやり取り内容から、その人の今の関心事を分析されたり、観ているTV番組情報からその人の趣味趣向を把握されたりして、例えば突然Facebookのフィードに、自分が最近関心があったモノに関する広告を見せられる、という具合です。
ただこの辺りの消費者からすると気持ち悪いまでのターゲティング広告は、かなり昔から進化しており、大手企業が常用してきたマーケティング手法なので、デジタルマーケティング時代に限ったことではなかったのですが、それがより顕著になったとは言えます。
Webマーケティングの代表格である、SEM/SMM/バイラル/Webサイト制作など、当サイトでも古くからフューチャーしてきた各手法は、デジタルマーケティングにおいても、コア・コンポーネント的な存在であることには変わりがなく、今の時代でも外せないものと言えます。
なお今後の取り組み方次第では、「デジタルマーケティング」という用語が単なるトレンドの1つで、やっていることは「Webマーケティング」と何ら変わらないという事態になっている可能性もあります。
デジタルマーケティングの時代では、従来のSEM/SMM/バイラルマーケティング/Webサイトなどを、3つのタイプのメディアという括りで、切り口を変えて定義しています。
口コミ的な働きとして、シェア、再投稿、レビュー、おすすめ、参照などで、所有メディアへ人々を到達させるのを手助けする様な役割を担うメディアです。例えばFacebookやIGなどに代表されるソーシャルメディア上で起こる拡散や紹介、YelpやTrip Advisorに代表されるレビューサイトでの投稿、第三者のサイト上での紹介も、EARNEDメディア内で起きている口コミ的展開という捉え方になります。検索エンジンでの自然な検索結果における上位表示による、“検索エンジンからの”参照も、この範疇になります。
例えば自社ウェブサイト、ブログ、ソーシャルメディアチャンネルなどは、全てOWNEDメディアの範疇になります。マーケティング活動のゴールとしては、このメディアへトラフィックを得ることになります。
PPC広告、ディスプレイ広告、ソーシャルメディア・アド、インフルエンサーによる拡散、記事広告など、何らかの露出・トラフィックを得る為に広告宣伝費用を対価とするメディアが該当します。
デジタルマーケティングにおいて、この3つのメディアを用途に応じて、それぞれ重なり合う部分も意識しながら戦略を立て、予算を適切に配分し、バランス良く効果的に活用していくことが重要となります。