Facebook、インスタグラム、Youtube、Twitterなどのソーシャルメディアや、ブログ、オンラインメディア上などで、大量のフォロワーを持つため、その人の投稿が多くの人の目に留まり、更に拡散されて多くの人々に影響を与えるなど、まるで感染力を持つかのような人をインフルエンサーと呼びます。例えば著名なYoutuberやインスタグラマー、ブロガーなどはそれに該当します。
アメリカではかなり昔から実は存在し活用されていたマーケティング手法ですが、近年脚光を浴びています。ソーシャルメディアの成長と共に、インフルエンサーたちの影響力が強大になってきたことで、企業側が彼らの拡散力を商材やブランドの宣伝に利用する需要も増大しています。
インフルエンサー独自のチャネルを利用できるため、それまでの広告手法では効率的なリーチが難しかった新たなチャネルの利用として、注目を集めてきた背景もあります。
「問い」:
例えば100万人のフォロワーをもつ、若くてきれいな女性インフルエンサーが居たとします。彼女の投稿に対して、毎回コンスタントに大量の「いいね!」が集まるので、拡散力も確認できます。商材が女性用化粧品であれば、提携先として適切でしょうか?
「答え」:
まずインフルエンサーのフォロワーのデモグラフィックを最初に理解・把握している必要があります。例えば肌の露出の多い投稿で、若い男性を中心としたフォロワーで構成されていれば、そこに女性用化粧品ネタを投稿したところで、欲しい成果はまず得られません。
また例えば20代前後の女性フォロワー中心で構成されていたとして、女性用化粧品が高額であれば、ターゲット年齢層として合わない可能性も出てきます。
つまりインフルエンサーマーケティングを適切に行う上では、宣伝したい商材の潜在顧客層と市場特性、フォロワーのファン層を正しく認識したマッチアップが不可欠になります。一番失敗し易いのが、素人考えでインフルエンサーを選ぶことです。
例えば食いつきが良い、売れそうな商材だと思って貰えれば、コミッション契約だけで、勝手にがんがん売ってくれる可能性があります。逆に食いつきの悪い、売れない商材だと思われれば、高い定額報酬を求められたり、最悪は断られたりする可能性すらもあります。
一番基本として覚えておくべきことは、彼らにとってはこれが本業であり、大きな収入源であるということです。それで食べて行っているからには、ビジネス的な旨みを感じられるか?が、彼らにとって最重要課題です。彼らが求めているものも正しく理解し、お互いのビジネス要件がきちんとかみ合い、成立させられる交渉術が問われます。
特に認知度アップや売上獲得を目的として依頼するのであれば、相手のモチベーションを最大限に高めて、Win-Winの関係構築していくことを目指さなければ、長く本気で向き合って貰えず、すぐに失速します。重要なのは、外部営業マンとして、アフィリエイト販売にできるだけ長く、本気で取り組んで貰える状況を作りだすことです。
またレビューや記事広告獲得目的であったとしても、フォローアップは重要になります。相手の技量や性格も大きく関係はしてきますが、依頼者側の意図したコンテンツが投稿される保障は何もありません。基本的に手抜きな人達も多いので、できるだけ彼らの手を煩わせない様に、ある程度ネタを用意して渡した方が安全なケースもあります。
提携後は、簡単に相手任せの自動操縦に出来るなどと、間違っても考えない方が賢明です。
昨今はインフルエンサーと広告主との提携関係を、隠蔽することは明確に禁じられており、違反が発覚した際には厳しい罰則もあります。そのため、一昔前のステマ的な活用は硬くNGとなります。
そのため、近年は企業が運営するソーシャルメディア・アカウントを、インフルエンサーが一時的にテイクオーバーするという、少し強引ながらクリエイティブな手法も活用されています。これはインフルエンサーが企業アカウントから代理で投稿している形なので、企業提携関係開示の話は初めからクリアーしており、インフルエンサー的にもリスクの少ない手法といえます。