顧客層に受ける内装・外装
例えばファインダイニング(高級レストラン)をファーストフード店風の外装にしたり、本当はすし屋なのに、ラーメン屋のような外装にしたりすることは、顧客を困惑させるだけです。
料理のジャンルに合った雰囲気の外装にすることで、初めてお店の近くを通り掛かった人でも、何料理のレストランなのか、容易に想像できるようになります。あるいは店に入ってからも、特に違和感を感じさせないため、マーケティング的には正しいアプローチと言えます。
外装はWebサイトのヘッダー、フッター
外装は、Webデザインで言うところの、ヘッダー、フッターといった共通デザイン部分に相当し、やはり各業種・業態に合わせた印象のデザインにするのが一般的です。
内装は、コンテンツ中のデザインエレメントやページレイアウト
内装は、コンテンツ中のデザインに該当し、くつろぎ感や、お店の雰囲気を印象付けるもので、やはり顧客層が好むものに仕上げることを第一に考えるべきです。
マーケティング的な正解を常に考える
特にスモールビジネスの案件では、オーナーが自分の好みにこだわり、顧客層を考慮せず、独断で決めてしまうことがあります。マーケティング的に考えるなら、レストラン(Webサイト)は、顧客が満足してもらうことで収益につながるわけで、こういったエゴは、大体の場合、マイナスにしかなりません。
受付やウェイター、ウェイトレスなどのカスタマーサービスは、サイト上でのナビゲーションの役割に近く、スムースであるほど、顧客満足度が高くなります。
1ページ30秒以内、1セッション3ページ以内で成し得るべきこと
統計的に、インターネットユーザーが1ページを閲覧するのに要する時間は、約平均30秒と言われており、30秒以内で読める範疇で、最低限伝えるべき情報を伝え切ることを心掛ける必要があります。
また統計的に1回の訪問での平均の閲覧ページ数は、約3ページですが、ユーザーが読みたいと思っているページがその先にあると分かっていれば、何ページでも読み進めていくという統計もあり、ナビゲーションが重要な部分でもあります。
HTMLコードが建物の建築構造。1つの欠陥も許されない
レストラン自体の建築構造が、HTMLコードのようなもので、一見外から見ても、どうなっているのか、素人には全く分からないのですが、欠陥工事になっていると、例えば雨などが降った際には雨漏りがします。
普段は普通にできているように見えても、ユーザーの使うブラウザの種類やモニター解析度状況にょり、意図しない動きや表示になることがあるので、正しくHTMLコーディングをされていることは、安全にビジネスを運営する上で、とても重要になります。
コントラクターはIT部署に近い
よくWeb制作は、IT部署が管轄すべきものだと思われているケースがありますが、IT部署は建物を建てるコントラクター(建設業者)に近い存在と言えます。部分的には勿論関係してくるのですが、コントラクターがケアしてくれているのは、雨漏りのしない、設備の整った建物にすることであって、あくまで「守り」の部分だけです。どうマーケティングして、お客さんを呼び込むかとか、どういう料理が興味を引けるかなど、「攻め」の部分に対しての知識も関心も、本来持ち合わせてはいません。
IT部署に、マーケティングノウハウはない
IT部署だけがWeb制作に関わっているようなプロジェクトは、レストランを始める際に、コントラクターに、集客手段やシェフの代わりにメニューを考えてもらっているようなもので、それで成功する方が珍しいと言えます。
正しい役割配分が成功の鍵
ビジネスコンサルタントが、潜在顧客層や集客方法を検討し、腕のあるシェフを雇い、そのシェフに顧客層に合ったメニューを考えてもらい、ウレイターやウェイトレスたちを教育する、というのが、レストランを成功させる上で不可欠なことです。Web制作の現場においても、商材をよく理解している、営業や企画部署と、マーケティングを理解しているコンサルタントなどが関わらないと、ビジネスとして成功させるのは、とても難しくなると言えます。
開店当初から、閉店営業にならないために
お客さんで賑わうレストランにするには、立地条件、料理、サービス、内装・外装などの各要素の優先順位や方向性を間違えないことです。例えば、内装や外装にお金を使い過ぎて、集客のための広告予算などが無くなってしまうと、そのビジネスは開店当初から、ずっと閉店営業を続けていくはめになります。
予算10あれば、最低でも集客5、制作5
Web制作の案件で、仮に予算が10あるとすれば、最低でも半分の5以上は、集客予算に分配すべきです。つまり残りの5以下で制作予算を賄うべきなのです。
ホスティング選びも慎重に
レストランを始めるにあたり、ビル内の1階にある商業用スペースをリースするとします。これは、ホスティング会社から、ホスティング(Webサーバー)スペースをレンタルしていることと同義で、Webサイトを公開する際に、必ず必要になります。
リースの際に気をつけるべきことは、そのビルの信頼性、安全性、近隣のテナントの質です。レストランもホスティングも、24時間、365日、安定して稼動できることが、ビジネスを始める上での絶対条件となります。
例えばレストランの入っているビルの電気が、いきなり予測不可能なタイミングで、不規則に停電になるとか、水道が止まるようでは、ビジネスを安心して稼動させられません。また夜間でも、誰でも自由に出入りができ、レストランの入り口に鍵もない、というようなビルでは安全性に問題があります。
ホスティングも全く同じで、障害時の無停電装置でどの程度の期間、電源が供給されるのか? とか、サーバーのハード障害時のバックアップからの復旧や、ファイヤウォールなどの基本的なセキュリティの有無など、ホスティング会社が信頼の置けるサービスを提供してくれることが、とても重要になります。
特にしっかりした回線をいくつも保有できていないような、ホスティング会社の場合、サイトへの接続がよく不安定になる、またはサイトが頻繁に落ちる、という状況になることも、決して珍しいことではありません。
レストランとは違い、Webサイトは実際に24時間、365日営業していることになるので、仮に企業の顔でもあるWebサイトが安定していないことは、ビジネスの信頼性そのものに大きな傷を付けることにもなります。
また近隣のテナントが違法行為をやっていたりすると、自分のビジネスにも勝手に迷惑を掛けられることがあるので、ビル側のテナント審査が厳しいところを選ぶべきです。
例えばカジノやアダルト系のサイトをホスティングしていると、検索エンジン上で、スパム(違反)行為を行っている場合が多く、使っているIPアドレス(住所のようなもの)がブラックリストに載せられることがあり、その巻き添えになる可能性もあります。
(ホスティングについての注意点を、もっと詳しく知りたい方は、こちらをクリック)
ドメイン管理も重要
ビジネスを始める際に、社名や屋号を登記する行為は、Web制作の過程では、ドメイン登録に該当します。
ドメインとは、世界中で絶対に重複しないよう、ICANNという組織が管理しており、その配下で、ドメイン管理業者が委託管理しています。
ビジネス事業主は、このドメイン管理業者を通じて、登録したいドメインを申請、管理することになるのですが、粗悪なドメイン管理業者を利用すると、管理がずさんで、稀にドメインを他人に乗っ取られてしまうことがあります。
プロにマーケティングアドバイスを聞くこと
またドメイン名は、マーケティング的にも重要になってきます。素人が自分で考えて決めてしまう前に、プロのアドバイスを参考にされることを、強くお勧めします。